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『リザードン だらけ』

リザフィックバレーだけが、リザードンの集う地ではない。



ここ、《リザードへいや》 では 強さを求めるのではなく

のんびりと、日々を過ごす個体が多く暮らしていた。



そこへ 1匹のリザードンがやってきて……



===




彼はプライドが高かった。

自分は強いと信じ込み、地元で粋がっていた。

リザフィックバレーでも、簡単に頂点が取れるだろう。

意気揚々と谷に挑み……


門前払いだった。


戦うにすら、値しない。


彼の自尊心は酷く傷つき、言い訳をしながら、その地から逃げ出した。


そして、のんびりと平和に暮らしているリザードンたちの所へ来ると


彼らを見下し、馬鹿にし、自分のプライドを護った。



「相変わらず太ってんな~~お前ら、
好きなだけ食って、ろくに運動しないからブクブク太るんだよ」


「あー、うん、そうだねぇ」


「なんだよ、このみっともねー腹。あーやだやだ、これだから節制のできないデブは」



この地域のリザードンは、それこそカビゴンのような暮らしをしているため

満足に飛べない程太った体重XXXXXLの…それこそ200kg、300kg級のデブ個体も多くいた。



彼は、自分の鍛えられた、引き締まった肉体を自慢しながら、周囲のリザードンと並び

その体格差に安堵する。



「ようデブ、まーた食ってんのか。見れば、いっつも食ってばっかだな。だから、もっと太るんだよ。
しかも、そんな甘くてカロリーの高い果物ばっかり選んでよぉ」

「……」

「うわ、お前らジュースに菓子まで食ってたのか!
っかぁ~~~信じらんねぇ~~~」


「そうだね、これ以上太るのは良くないから……残りは君にあげるよ」

でっぷりと肥えたリザードンは、バスケットいっぱいに入ったフルーツや、チョコレート、クッキーなどのお菓子を

全部彼に与えた。

「な、なんだよ。オレは別に欲しいなんて言ってねぇぞ」


「いらなかったら、別に捨てていいから。
……けど、君が羨ましいよ。筋肉も引き締まってて、運動もして……こんなおいしいお菓子、好きに食べても太らないんだろうな」


「そうそう。君はいっつもトレーニングとか頑張ってるし、すごいなーって」

周囲のデブリザードンたちが、口々に彼を賞賛し、羨ましいとばかりに自分たちの肥えたお腹を擦って見せる。


「へへ……な、なんだ。よくわかってんじゃねぇか。お前らも、見る目はあるみたいだな」


すっかり気を良くした彼は、普段は口にしないような、高カロリーのお菓子や木の実をたっぷりと貰う。

自分のテリトリーに持ち帰り、軽く自主トレをすると、さっそく食べ始める。


「……うま」


今まで、甘いものや脂っこい揚げたお菓子は控えてきた。

しかし……これほどうまいものだとは……


彼は夢中になって、分けて貰ったカロリーを取り込み、腹を膨らませた。


「げぇふ……ちと、食いすぎちまったか……?
これじゃ、まるであのデブ連中と一緒……」


いや、思い返してみたが、あいつらはたらふく食ったオレの腹寄りさらに2倍も3倍もデカかった。

こっちは一時的な膨腹だし、消化すればまたスッキリとした元の大きさに戻る。

気にし過ぎだな、うん。







だが、その日から彼の食生活やリズムは狂い始める……


次の日も、その次の日も、太ったリザードンたちは、彼に様々な甘言を浴びせ、惑わし、食べ物を与えた。

言わずもがな、彼を””肥やす為”に他ならない。


そんな悪だくみをされてるとは、考えすらしなかった。

彼(リザードン)は、この集団の中で、自分が最も優れていると思っていたし


周囲のデブ共は、食っちゃ寝しか頭にない、無能集団だと決めつけていた。



1ヶ月、2ヵ月と、月日が流れていく。

次第に彼はブクブク太りはじめ、

僅かな運動ですぐ息切れし、休憩を繰り返す。

休んでる彼に、デブリザ達が差し入れや、たっぷりと砂糖やモーモーミルクを入れたカフェオレをプレゼントしていく。


「気が利くなぁ、おまえら、ふぅ、ふぅ」



休憩時に良く座る木の幹の椅子が、ミシミシと亀裂が走り、割れそうになる。

すでに自身が周囲のデブリザと大差ない体型になりつつあるのに、未だに気付かない。


更に数か月後……


「ムシャムシャムシャ……んぉおい、おまえら、今日は、いつもみてぇに、菓子とか食わねぇのかよ。
ダイエットしたいだろ?オレが、むちゃむちゃ、食ってやるよ、ぐっぷぅ」

「そうだね、君みたいに格好良くて、強いリザードンになるには、もっと我慢しないとね。
このプリンセットのギフトも、お煎餅も、羊羹も、食べたいけど……日頃から運動してる君に全部譲るよ」


「むふぅ、むふぅうう、よおぉし、そうだぁ、よぉおく、わかってるじゃあないかぁ、ぐっふふふ…
うっ、ぐげえぇええええっぷううぅううう!!!」



「凄いなぁ、これだけ食べて、まだお腹がこんなに固く引き締まってる」

「うんうん、流石リザフィックバレーでも活躍してたってだけあるよね」


「っふぅう、むふぅう、おぶっ、っぷふぅうう」



確かに彼のお腹は、固い


それは常時何かを食べ続け、肥えきって、そしてギチギチに張りつめるまで膨れ切っているからだが……





自覚のない彼は、その言葉を文字通りに受け取り、満足げにおくびを漏らしながら

巨大なケーキをもう1ホール食べきるのだった…



飛べない程太ったリザードンたちに介護されながら

”起き上がる事すらできない”彼は、半ば眠っているような虚ろな目で、

お代わりを催促し続ける







おしまい


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