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『太っちょ猫さんとマッサージ』

猫と言うのは、細身で、身軽で、体の柔らかい生き物だ。


ただ、早苗君という2足歩行の猫は、体は柔らかいが、太くて、動きも重そうで

一言であらわすなら、デブ猫だった……


====


===


最近、どうにも調子が優れない。



「んーーー……」

昔より疲れやすくなったというか、


一番の原因は、コレなんだろうけど。


むにゅ、と突き出たお腹をつまむ。でっぷりと、胸よりも出た位置にあるそれは、

小さな子供が見たらお相撲さんとか、妊婦さんとか、そういう指摘をするやつ。


いろいろあって……


本当にいろいろあって。


気付けばだいぶ、太ってしまった。



「むぅ」



とはいえ、ダイエットにはそんなに意欲的ではないし

太った事で世間から冷たい視線を受ける事がないわけではないが(特に狭い場所だと……)

カロリーを気にせずいっぱい食べれるし、

今のままでも別に―――


という考えで、ズルズル体重が増え続けて、そのまま身長に追いつきそうなほどだ。



栄養ドリンクはカフェインで誤魔化すだけだし、

ちゃんとした疲労回復手段はないものだろうか?

そんな風に思案しながら、色々調べていき

『マッサージ店』が候補に挙がった。



そんでもって、気づいたらすでに店へ予約を入れ、

いざ入店……という段階だ。


「いらっしゃいませ。ええと、予約されていた早苗様……ですね」

出迎えてくれたのは、看護婦っぽい女性のチーターだった。


太い自分とは対照的で、スラリとしている……

「ずいぶんと、大きなお客様ですね。ふふ、ごめんなさい
やりがいがありそうだな、って」


胴回り以外も、腕や太腿も、しっかり見られながら、そんな風に言われた。

ただ、口調から嫌みな感じはしなかった。


ちょっと小っ恥ずかしさを覚えながら、奥の部屋へ案内されベッドに寝かされる。

「楽にしてくださいね。まずは、うつ伏せになって……」


そっと、指先で首に触れられる。

次に掌全体を使って、全体を撫でるように、上下に、肩と首をさすっていく。



途中で、ぐっ、ぐっと指圧をしながら、右肩、左肩、と移動していく。


くすぐったさと、気持ちいい程度の痛みを感じる。

……そして、他人に触られて分かった事だけど

背中側にも、結構お肉付いちゃってたんだな……


ってのを、知る事が出来た。


背中を満遍なくマッサージされ、足の裏側もしっかりと揉みほぐされていく。

「ん……」


どんどん、リラックスして、眠くなってきた……

早苗は鼻を僅かにヒクヒクさせながら、うっとりとした表情で目を閉じ、眠りにつきはじめようと……



したのだが、次の言葉で一気に眠気が醒めてしまう。


「はい、背中側はこれぐらいにして。っと。
それじゃあ次はお腹側もマッサージしますので、仰向けになってくださいね」


「……えっ」


ちょっと、それは、聞いてない。

お腹を見せるのはあらゆる動物が潜在的に恥ずかしがるポーズだし

何より、この、太って
でっぷりして、丸くて、膨らんで、おっきなお腹を、綺麗な女性に見られ……


って、マッサージだからしかも揉、揉まれ



しかしマッサージを受けに来たのに、嫌ですと抵抗を見せるわけにもいかず

口を閉じたまま、早苗は不器用な動作で仰向けになる。太ってて体を回すだけでちょっと大変なのだ。



「それじゃあ、手を当てますね。ちょっと冷たいかもしれませんが、失礼します」


そっ 


と、優しく、両手がお腹の中心に触れられる。

親指の付け根を当て擦るように、

版画を刷るように、ゆっくりと円を描きながら撫でていく。


なだらかな傾斜をしている”風船腹”に沿って


「ぅ……」

今度は、脇腹をつまむように、ぐい、 ぐい、と左右へ肉を流していく。

ゆっくり揉んで ゆっくり放す


再びお腹を撫で始め今度は胸側に

上へ、


ぐっと肉を持ちあげたら

今度は 下へ……



正直……プロなだけあって……


とても、心地が良い。

触られて、揉まれて、撫でられているのに



布で包み込まれているような、ふわっとした、重さを感じない、

丁寧で、とても優しいマッサージだった。



気付けば、恥ずかしさで緊張していた心も落ち着き、

穏やかに、深い眠りへ向かっていく。



大きなお腹は、確かにやりがいがあり


本当なら、早苗が今回払った料金プランではもう終了時間だ。

しかし、まだ”全体のマッサージ”は終わっていない、とサービスで延長は続いている。

プロ魂に火をつけるほどの、”ボリューム”と、”溜め込み具合”



そんな体型なら、日ごろの生活でも疲れは溜まっていくだろう。贅肉の蓄えと一緒に。



3桁……の、序盤とは言えない体重と体型なら、仕方ないが。


結果としては、予想以上に、十分満足できるものだった。



気が向いたら、また来ようと思える程度には。

ただ……


ぐぅうう~~~きゅるるる


お腹の虫が鳴り響く。

「あぅ……」


常時、あれだけ刺激を与えられて、意識しまくったお腹は

自身の存在をアピールするかのように、空腹を訴えてくる。


その日、帰り際に寄ったファミレスで

特盛のセットメニューを注文してしまった早苗は


結局、フゥフゥと息苦しそうな呼吸をしたまま


重力に負けてどっぷりと垂れさがるお腹を抱えるように



重たい足取りで家路についたのだとか…














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