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『風船職人と熱気球』

フワライドにとって、風船とは芸術であり、

そんな風船を作る事は誇りでもあった。

様々な彩りの風船。

世界最小の風船。 世界最大の風船。

いつしかフワライドは風船マイスターとも呼ばれ


記事や特集が組まれるほどになっていた。


だが近年……


「んーーー……」


「んんーーーーー……」



「んんんーーーー・・・・・・・・・・・・・」



上下にふよふよ、浮き沈みしながらフワライドは頭を抱えていた。


風船作りが、うまくいかない。

作れなくなったわけではない。受注した風船はいくつも納品しているし、

個展に出す作品だって、滞りなく作成できている。

だが、どれもいまひとつ。

自分が納得できる作品に、風船にならない。

スランプというやつだろう。フワライドは、悩み続けた。

ある日の事、テレビを見ていると、熱気球大会の中継が映っていた。


様々な模様や、カラフルな配色。

悠然と青い空に浮かび、そして他の全てを圧倒する大きさ……

「こ、これだ!!」

風船の新しいカタチを見出したかのようだった。


フワライドは、早速作品作りの為に協力者達を【募集】した。


日給の高さに目がくらんで集まったのは、バクフーンや、リザード、ブースターといった炎タイプたちだった。


バクフーン「いやーあのフワライドさんの作品の手伝いができるなんて嬉しいな~」

リザード「手当もいいしな」

ブースター「それで、何を手伝うんでしょうか?」


フワライド「なに、簡単な事さ。君たちには、体の中に膨大な熱が、すでに溜まっているだろう?

だからちょっと私が”手伝ってやれば”、君たちはすぐさま立派な作品に生まれ変われる」


表情の変わらない、無機質な笑みを浮かべながら

フワライドはその布かヒレか区別のつかない手で、彼らを愛撫するかのように触れていく。


バクフーン「え、フ、フワライド……さん?」


何かの”ちから”を感じながら、次第に意識が朦朧としていく。

ほんの少しの気持ちよさと、不思議な解放感。


胸のつかえがとれていくというか……


バクフーン「はれ……ぼく……なにしに、きたんだっけ……」


力が抜けていく。 否、力が入らない。

まるで自分が自分でなくなるかのように。


次第に彼らの体に変化が起き始める。

ふさふさの毛並みはそのままに、まるでゴム風船のように全身が張り始め、腹部を中心にムクムク膨れていく。


バクフーン「はぁ……はぁ……ぁ……」

体温が上がっていく、というか、熱い?

今まで自分の中にある炎が熱いなんて、感じたことないのに……

リザードンの白いお腹が膨張していく


ブースターも同様に、球体になっていく。

4つの脚は自身の文字通り ”風船腹” を抱きかかえる形になりながら

ゆっくりと浮上していく。

バクフーン「ぅあっ、っはぁ、っは……あ……?」


ぶくっ


ぶくぅっ


ぶくぅううううううううううう!!!!


控えめだった変化が

一気に加速していく。


フワライドによって肉体が風船化された影響で

ある程度伸び・膨れた途端、急激に膨張しだす。


浮力によりどんどん体は高く、上がっていく。



フワライドの手が離れ、

ハッと我に帰る。


バクフーン「えっ、あ、うぷっ、な、なんですか、これっ、ぁ、うぁ、ふ、ふくれ、て、
とめて、とめてください!!!」


そういう間にも、体はどんどん膨れていく。


フワライド「もう止められないよ、限界ギリギリまで膨張するんじゃないかな?
だって、膨らむ理由は君たち自身の熱なんだから」


淡々というフワライドの言葉に、バクフーンたちは気が付いた。


風船の新作を手伝う、その意味と、選ばれた理由が。


ぎゅう、ぎゅうぅうう!! と擦れる音を出し合いながら、喘ぎ、もがき、

3匹は膨張と上昇を続けていく。

バクフーン「だず、げ、ぷ、くぷっ、抜け、ないっ、呼吸するたびに、膨れ、てくっ、えぷっ、はふっ、おなか、パンク、しちゃ、うっ」



元の10倍以上に膨張し、ジタバタもがいていた手足も、もう満足に動かせない。

眼前に映るのは膨れ切ってとんでもないサイズになってる自分たちのお腹。


そして、”作品”に満足し、とてもいい笑顔を見せるフワライドの姿だった……











===






 
その後、無事に全てが”終わった” 彼らは気づけばポケモンセンターで目が覚め


バイト代はしっかり貰っていたという


もう2度と軽率なバイトはしない、と心に誓いながら

その時の後遺症で、食事をするたびに妙にお腹も膨れるようになったのはご愛敬……









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