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『スナックジャンキードラゴンズ』

某ドラゴンファミリーを襲った悲劇…ダイジェスト


~開封厳禁!危険スナック~


白とグレーを基調とした配色の、大型のドラゴン。

ガタイがよく、若い頃は結構な無茶もやんちゃもしてきた。


とはいえ結婚後はすっかり性格も丸くなり、比例して体型も丸みを帯びていた。

年相応の中年太り……とはいえ、まだまだ引き締まった固太りといった印象。

ある日の事、そんな彼……イーゲル宛に不思議な郵便物が届く。

大きなダンボール箱。中には何袋ものスナック菓子が入っていた。

「へー、うまそうだな」


どうやら、ランダム抽選の結果、無料モニターとして当選したらしい。

リピーターを増やしたいだけのようで、お代も無料ということだった。

さしたる警戒も無く、イーゲルはむしろ喜んで間食を増やした。

うまい。とてつもなく。想像以上に。


すっかりその”ポテチ”にハマったイーゲル。複数あったはずのダンボール箱はあっという間に空になり解体されるのだった。


~暴食注意報~



その日から、イーゲルはスナック菓子を繰り返し食べるようになった。


作業中や、読書中。片手には常にスナック菓子の袋。

それも、1枚1枚丁寧に食べるのではなく、ごそっと十数枚つかみ取りしたり、

そもそも開封直後にザラザラと一気に飲み干すのも珍しくなかった。


ドラゴン用の、大サイズのスナック。 普段の食生活にプラスして毎日食べれば、当然カロリーオーバーとなる。


じわじわと太っていくイーゲルだが……


気にせずスナック菓子を注文し続けた。値段も異常に安く、頼めばすぐ配達される。

「あ~~、これは病みつきになる」


食前、食後に。晩酌のおともに。


「ぐへぇええっぷ!」


気付けば、お腹が膨らむだけ食べきってしまう。 家内にも注意されるが、どうにもやめられないし、とまらない。

もっともっと食べていたい。いろんな味があるし、ザクザク、バリボリ、この噛み砕くたびに発する音と心地よい食感に飽きがこない。


晩御飯に呼ばれたが、今日はいらないと伝えた。 それより、このスナック菓子をもっと食べたい。

「むふぅう、ふぅ、ばり・・・ぼり・・・バリ・・・ガリ……」


寝ても覚めてもスナック菓子が手放せない。おいしい。おいしい。ああ、もうなくなった。追加頼まないと。

むしろ、常に蓄えがないと落ち着かない。

イーゲルは自室にこもったまま、繰り返しスナックを食べ続ける。

ガタイの良い竜のシルエットが、胴体を中心にどんどん広がっていった……。



~消えた父親の謎を追え!~



「え、親父がどっかいった?」


「うん……行先も告げずに、急にいなくなって。もう何日にもなるって……」


母が心配して彼の自室を開けると、もぬけの殻だったという。

そして大量のゴミ袋には、空になったスナック菓子の袋が圧縮され、何袋も何袋も……

ゴミ屋敷とは言わないが、相当な状態だったらしい。


トリア、オルファ、そしてナベルは手掛かりを探すべくイーゲルの部屋へ。

「うへぇ、なんかまだ脂っこい空気が漂ってる感じ……」


「えー、でもけっこうおいしそうな匂いじゃない?」


「まぁそうだな」

「ほら、ふたりとも。ちゃんと調べないと。何か日記にメモとか……ないか
父さんったら、フラッと旅に出ることは……なかったとは言わないけど、母さんを心配させるような事はしないと思ったんだけど」



何か、事件に巻き込まれてないといいけど。

そんな風にオルファが心配する中…


「あ、このスナック菓子まだ未開封の埋もれてた」


「ふーん。ピリ辛チーズピザ味ねぇ……お、けっこうおいしいじゃん」

「あ!ずるい!ボクも食べるっ」


「こーら。二人ともこんな時まで食い意地張らせないの。
でも手掛かりなんて……この不自然なスナック菓子ぐらいしか。このスナックの会社とか、工場で何か情報得られないかな……」


関係ない、と思うけど……

父は、このスナックに随分”ご執心”だったらしい。

実弟のシュネーヴァも一度その時の様子を見たが、スナックを取り上げると鬼気迫る表情で奪い返され、
本気の兄(イーゲル)を見たのは久しぶりだという話もあったし……。



そして、スナック菓子に記載されている住所を探すが、偽の情報だった。

明らかに、おかしい。

獣人姿に扮しながら、配達ルートや、似たような話を聞き、そしてとうとう そのスナックが製造されているらしい工場へとたどり着いた。



~スナック生産工場~



そこは、明らかに表向きの施設とは言えなかった。

なんの情報も、社名が描かれた看板もなく、生産ラインだけが動いている。


不自然な警備……


隙を見てなんとか潜入したオルファ達。


だが、内部の光景は外から見た時よりも異様なものだった。


巨大な地下施設。 尋常ではない量のスナックが生産され続けている。

梱包された大量のポテチがダンボールへ詰められ、ベルトコンベアにより運搬され出荷していく。


それとは別に、運搬され続ける大量のスナック。

その先を辿る。 嫌な気配がした。

嫌な音がした。 嫌な、声が聞こえた。


獣が唸るような、それでいて 聞き覚えのある、なのに、知らない声……


『んぐふぅうう、ふぅうう、ぶふぅううう、ふぅうっ んがぁあう、あむぅっ、んふぅっ、むぐぅううう』



それが・・・・・・・ 変わり果てた姿になった父から漏れ出た声だと認めたくなかった。

「とう……さん……?」




遠くからでもわかる、巨体。 背中側まで丸く、贅肉が詰まっている。 首は?関節は?どこにいってしまったのだろう。

自身の付きすぎた贅肉で、丸々とした肉風船となった彼は、 すっかり短く見える腕でポテチをひたすら口へ運んでいた。

『んぁあああふぅう、んまい、もっどぉお、おい、じぃ、んぶぅううううう、ふぅうう、あむっ、があああ』



おお口を開け、どざあぁあああッと大量のスナックを流し込む。

満足に咀嚼せず、繰り返し飲み続けた。 ずっと……見ていない間も、ずっと?


背後から見たため、気づかなかったが…… 

父の正面側。 つまり腹側はとんでもないことになっていた。

パンクしないのが不思議に思えるほど、 膨れに 膨れに 膨れていた。


我に返り、止めようとするオルファやナベル。

だが スナックジャンキーと化していたイーゲルは微動だにしなかった。

呼びかけには反応するが、すぐさまスナックを貪る行動に戻る。

「父さん、駄目だって!目を覚まして!!」

「ぐっ……すっげぇ膂力……!!!」



こんな場面で父親の自慢できる力強さを知りたくはなかった。

見れば、イーゲルのお腹は小刻みに震え、すでに消化が追いつかないペースで詰め込んでおり、

その膨張が竜族の頑丈な肉体を凌駕しそうな勢いだった。


『ぐっごぉお!!おっごぉお!!!!?』


ビクン! ビクン!!! 2度、大きく体を震わせるイーゲル。 直後、大きなおくびを吐き出し……


お腹にほんのわずかに余裕が出来たのか、再びスナックを詰め込み始める。


父親を止めれないなら、コンベアや運搬装置を止めないと。

ナベルたちは父親を肥大化させ続ける原因の装置を破壊。

ようやく、暴食が収まる……と 思いきや


『ヒュウ―――・・・・・・ヒュッ……!!!!す、スナッグ・・・・菓子……!!!
もっ  ど ぉ……!!!!!』



ズズズ……!!! 身動きすら取れないと思っていた超肥満の父が、立ち上がり、施設内を動きはじめた。


「う、ウソだろ……!」


壁を破壊し、倉庫の貯蔵スナックを片っ端から食べていった。

ムクムク、ムクムク、ぶくぶく

普通の食糧ではありえない速度で膨らんでいく。


「父さん、本当にパンクしちゃうよ!!」


先ほどより父親のお腹の震えが激しくなっている。 時おり痙攣したように震えたかと思えば、大きく肩を揺らして。

ギュ、ギュウウウッゥ とフトモモと腹が擦りあい、音を発している。


止める手段が、ない。 更に倍近く膨れ上がったいイーゲルを見て、絶望するしかなかった。

そして・・・・・・


『っが、っごぉおっ・・・・・・・・・???!!!!!』


ピタリと、手が、口が、全身が、静止する。


尻尾の先までピンと伸ばし、そして―――


イーゲルが無意識下で抑え込んでいたお腹が、大膨張を起こした



【ボンッっ!!!!!!!!!!!!】


「うわぁああ?!」

周辺のもの全てを吹き飛ばしながら、巨大な風船竜は、天を仰ぐように最後におくびを放ち・・・・・・


倒れ込んで意識を失うのだった。




~悪夢が終わらない~




保護されたイーゲルは、スナック依存状態のままだった。

拘束しても、ぶよぶよの体を動かし、要求する。
これだけ太ってしまうと、痩せるまでも大変だ。

巨体を維持させる為、膨大な食事も用意せねばならず、与えないと餓死してしまう・・・・・・


妻や娘が介護し、 シュネーヴァは治療法を探しに行った。


とはいえ、父の意識は日に日に戻って来てるし、

ゆっくりとだが確実に痩せてきている。

「あれ、そういえばトリアは・・・・・・?」


気付けば、交代で介護しているはずの兄さんも昨日から姿が見えない。


嫌な予感がし、兄の家に向かうとそこにはーーー





部屋ギュウギュウに膨れ、互いにスナック菓子を食べさせ、支え合う、ナベルとトリアの姿が




おわり
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