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傲慢なるリザードン ~試合直前~

これまでのあらすじ

ポケ相撲界の王者ピザードン。太る。るぎゃに負ける。

ぐやじぃ!→るぎゃを太らせる。

どちらも太る。 

試合へ―――
~試合直前~



とうとう、ポケモン相撲の真の王者を決める日がやってきた。


シロガネは自信に満ち溢れていた。 かつて強者だったが、ライバルはすっかり落ちぶれたデブ(リザードン)

「ふぅ、っふぅ、でも、流石に緊張してるんだろうか、なんか、汗が、ちょっと出てる……
蒸し暑いせいかな」

運動する前から、頬を伝った汗がぽたりと落ちる。

彼自身が”超肥満”だという自覚は無かった。


彼の体はすっかり変わり果ててしまった。


”ポケモン力士”特有の突き出ていた当時の腹すら、面影を残していない。

細長く美しかった首は、胸元に近づくほど段々と肉の階段が生まれ

テントのように下に広がっている。

付きにくいはずの肩や背中にまで脂肪がついているのがわかり、

ちょっとした動作でも贅肉が連動し、揺れる。


大空を羽ばたき、また指のように器用に物を掴むはずの翼は

全身と同様にぶよぶよと厚みを帯び、片翼を持ち上げるのすら今の彼には重労働だ。


もっとも好物の蜜大福や特濃モーモーミルクを口へ運ぶ以外、ろくに働いていないが。


足の指1つ1つも、丸々と肉付き、

膝頭も、足首も、余った肉で埋もれてまともに見えない。


シロガネはオスよりの体格だったが、豊満な垂れた胸が確認できる。

だがこれは女性特有のおっぱいとは似ても似つかぬ、デブ特有の脂肪が収まりきらず仕方なくボリュームが増しただけのもの。

そんな”雄っぱい”と皮肉めいて言われる胸元を支える胴体

……つまり、彼の《腹》 は、それはそれは ご 立 派 だった。


その太さを、大きさを、ボリュームを 何と表現したらよいのだろう。

ボールのように丸々としているし、風船のように膨れきっているし、気球船のように迫力のあるサイズ感だ。



一様に言えるのは、 並の肥満レベルでは 【決してここまで育たない】これに尽きる。



大きく何メートルにも達する巨腹。足元はおろか、数メートル先の視界まで自分の腹で遮られる。

歩くたびに上下にぶるんぶるんと揺れるが、あまりに大きいせいでその振動幅は逆に小さい。

小さなポケモンが近づいても、今の彼には一切見えない。死角だらけの、超肥満ポケモン。

それが今の彼だ。現王者だ。何故かまだその地位に居続ける”スポーツマン”……だ。




もっとも、それは強さでも、技術でもない。


彼のPP(プライド・パッション=誇りと情熱)はとっくに尽き、 規格外の数tに……いや十数tにも及ぶ体重が成せる”わるあがき”だった。


当日の朝。


彼は、前日も変わらず暴飲暴食し、はち切れんばかりのお腹を携えたままベッドに深く沈み込んでいた。

世話係が起こしてくれなければ、そのまま寝過ごして試合は不戦勝になるところだった。


それほどの堕落。



そもそも、彼は一人で起きれないし、”起き上がれない”

カイリキー級の膂力の持ち主がいなければ、ベッドから降りる事すらできないのだ。

「シロガネ様、今日の試合頑張ってください」

「はふ、はふっ、ふぅ、はぁ、ああ、ありが、とう、ふぅう、ふっ、んぷぅうう……」


ずしん。ずしん。ずしん。

1歩、1歩が異常に重い。 彼の屋敷の外には、先週から今日にいたるまで食べ散らかした菓子や出前、差し入れのゴミの山が詰まれ収集車に回収されていた。

その粗大ごみに匹敵する巨体の超肥満は、両開きの巨大なドアをくぐり抜け、屋敷の外に出る。


「ぜっ、ぜぇ、ぜはっ、はぁ、しあい、かいじょうまで、どのぐらい、だった、っけ」

何故だか、妙に疲れている。コンディションが万全じゃないのだろうか。

ぐっすり寝たはずなんだけどな……

家から出るだけで疲労困憊な彼は、結局どっかりと座り込み 移動用の大型車両を呼んだ。

わっせ、わっせ、と巨体をスタッフたちが荷台に”積み込む”


到着まで時間があるし、それまで暇だな。

と、シロガネはまだ消化も満足に終わってない体に、家に残っていたモーモーミルク大福や、スナック菓子も大量に詰め込んで貰った。


「はぁ、ふぅ、むしゃむしゃ、むしゃ……んぐっ……」


サイコソーダをがぶ飲みし、げっぷを吐き出す。

重量過多気味の大型車両は、なかなか速度が出なかった……。




==




一方で、シロガネを太らせ、当時と逆の試合結果に運ぼうとしたガエンだが……


傲慢な彼が、理想通り動けるはずがなかった。


「ガエン様ぁん、そろそろ出発しないと遅刻しちゃうんじゃないですかぁ?」

グラマラスなミミロップが、つぅ、と指で彼の体をなぞりつつ、進言する。


ソファに寝たきりのまま、両脇のピザを何十枚と平らげながら 試合当日にも関わらず”カワイコちゃん達”の相手をしていたのだ。


「んぁ?あ~~ぞうだなぁ、げぶっ、んじゃ、ぞろぞろ、出発ずるどすっかぁああ」


間延びした声と、合間に何度も漏れるおくび。

こんもりと盛り上がった腹は、それこそシロガネと大差ない。


リザードン・ガエン。彼もまた自力で起き上がれない要介護肥満者と同等の存在になり下がっていたのだ。



ガエンの脳内プランは完璧に進んでいた。

ファンの差し入れと偽り、ルギア(シロガネ)をとことんまで甘味や食に依存させ、ぶくぶくと太らせる。

まともに動けなくなった彼を、自分が圧倒し、再びチャンピオンに返り咲く……


確かにその作戦は成功していた。

ガエンが、同様に怠惰な生活を送り、慢心し、”当時をはるかに越えて”激太りしていた事さえ除けば。


「ひゅううーー、ひゅぅうう、んぉお、あ、あ??? なんだぁ、今日は、やげに、体がおもだいぜ……」


会場まで、電車で乗りついて向かう予定だったが…… 立ち上がり、屋敷から出ようとするだけで、もう体が動かない。

壁に手をつき、ぜぇ、はぁと呼吸を整えるので必死だ。


「ガエン様、会場までの移動手段の手配が整いましたよ☆」

ミミロップが事前に呼んでいたのだろう、シロガネ同様に、”大型荷物運搬”移動車両が到着する。

「おぉ、お、そう、かぁ、なら、それに乗って、いくとするかぁあ……」



普通の車の乗り込みとは違う。ドアを通れず、車内にも入りきらない巨デブ。


ゆえに。トラックに重量物を運ぶように、車椅子の患者を乗せるように、ガエンを乗せていく。


「こりゃ、楽ちんだぜぇ……へへ……」






ガエンも、シロガネも 自分が歩くことすら満足にできない という事実に目を背けた。

試合は出来ると信じていた。

なぜなら、自分は 何度も勝利をつかみ取ったポケモン相撲界のチャンピオンなのだ。


しかも相手はあのブクブクに太ったデブ



両者とも、移動車の荷台で余裕の笑みを浮かべながら それぞれ同乗している世話役(本人たちはマネージャーと思っている)にチョコレートバーや、ドリンクゼリーを飲み食いさせてもらうのだった。



試合会場では、すでに予選が白熱している。 真面目にポケモン相撲に取り組む者達が 必死に汗水を垂らし、懸命に……




遅れて午後に到着した王者たちは、何もしていないのに汗だくで息切れをしていた。




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