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傲慢りざ 2 蜜月の

ぷくぷく
~蜜月の~



リザードン、ガエンの計画は見事に成功したといえる。



ルギアのシロガネは、ファンからの差し入れと信じ込み 疑うことなく


常識外れの量の差し入れを素直に喜び、 食べ続け、 ひたすら食べ続け……


元の倍以上に肥え太っていた。




「ふぅう、ふぅ、ふぅう、ふぅ……」


リビングのソファにどっかりと座ったまま、テレビ視聴。


その傍らには、いつも蜜大福の箱が山積みだ。


1箱食べきれば、数千キロカロリーはくだらない業務用サイズ。

その箱が、何箱も入った段ボール。それを1日で消費しきるのは決して珍しくない。



運動をまともにしなくなって久しい。

消費しきれない栄養は、腹にますます溜まっていく。

大きく、ずしりと重く、彼の体を大地に縛り付けるように。



「むぐ、むぐ、あれ、もう、空になってる……」


在庫も、最後の一ダンボールだったはず。


でも、大丈夫。自分の事を思ってくれている”ファン”が、また送ってくれる。


大好物の蜜大福を。お腹いっぱい。


しかし、あれほど頻繁にきていた大福が 次第に間隔が空くようになっていた。



まだか……まだ、こないのか……。



配達のチャイムが待ち遠しい。


もう、3日も蜜大福を食べていない。



ピンポーン。


「!! や、やっときた……」


ぜぇ、はぁと乱れた息を整いもさせず 玄関へ向かう。

ズシン、ズシンと歩くだけで部屋が振動する。それほどの重量。それだけの肥満。



「あ、あのお届け物でサインを……」


「ふうぅ、はぁ、わかった。サインだな……」


「残りはいつもの倉庫の方へ置いていきますね」

「わかった、ふぅ、はぁ……
おぉ、この輝くような丸さ、そして内から香る蜜の甘い匂い……」


サインをさっさと済ませると、配達のデリバードがいる前でもおかまいなしに箱を開封し、食べ始める。


「そ、それでは失礼します」


会うたびに膨れ上がるその巨体に圧倒されつつ、デリバードはそそくさとその場を後にする。


シロガネは夢中になって、包装紙を乱雑に破り捨て次々と開封する。

「はぐっ!あむっ!!」


ばく、ばく。もぐもぐ。ばく、ばく。


あぁ、やはりこの味だ…… 他の嗜好品では駄目だ。物足りない。

この心を満たしてくれるのは、このお腹を満たしてくれるのは……


「げぇっふ」

ポンポンと満足げに腹を叩く。ひとまわり膨れたお腹。

脇に複数のダンボールを抱えると、数十キロ分の蜜大福をもってリビングへ戻るのだった。


来週に控える試合の事は、一切考えていない。


最強の座は揺るがない。 


それが彼の重すぎる肉体を、相手がどうもできない 偽りの強さとも気づかずに……





試合会場になかなか姿を出さなくなったシロガネが激太りし続けているという噂は、


ガエンの耳にもしっかり届いていた。


順調だ。だが、あともう一押しする必要がある。


すっかり特性の蜜大福に依存したアイツを、更に陥れるために……





「ふぅ、ふぅ……(今日も、余裕だったな……)」


かつて尊敬していた、ガエンもいない。ライバルと呼べる存在もいない。


相手はデカすぎる現在の彼の腹を見るだけで、戦意喪失する。

無理もない、押してもビクともしない鉛のような重さに、

伝説ポケモンとしての恵まれたポテンシャル。

ちょっと体重を寄りかけるだけで、対戦相手はなすすべなく押し出される。


賞金は、食費と娯楽へ消える。他に使い道もない。


「さて、ふぅ、今日も、ふぅ、蜜大福と、ぶふぅ、海外ドラマのシリーズでも見て……」



どっかりとソファに座り、沈み込む巨体。 潰れたソファはもう座布団と大差ない扱いにしかなってない。


本来、肘や腕を乗せるためのひじ掛けは、自分のだぶついて余った脇腹肉に埋まっていたし、

その腹に翼腕を乗せ、 腹の正面に蜜大福の箱を乗せるのが基本スタイル。



彼に飲み物などを運んでくるヘルパーは空気のような存在として、認識せず 自分だけの世界に没頭する。


むしゃむしゃ。ぐび、ぐびっ。ばく、ばく。


「くふっ、ぐふぅ、げぇっぷ……」

この繰り返しが続くのだと思い込んでいた。信じ切っていた。


自分は王者で、敵なしで、その強さと逞しさに惚れたファンがこうやって支援物資を送ってくれる……



ガエンが罠として贈る蜜大福以外にも、邪な心を持ったファンが高カロリーな菓子折りを送り付けることも多かった。

真っ当に彼の事を思い、活躍を応援する純粋なポケモンがひとりも残っていないことに気付かない。




孤独であることにすら気づかない。



そして、ガエンの計画はいよいよ大詰めに入っていく。




「んぁれ………もう、空になってるなぁ」


寝ているのか、起きているのか曖昧な半覚醒の表情で


いつもの場所に置いてあるはずの蜜大福を探す。だが、ない。


早く補充されないかなぁ……


ぼーっと、そんな事を考えながら、到着を待つ。


だが、何日経っても配達を知らせるチャイムはならない。


「ハァ、ハァッ……早く……追加……」


待ちきれない。今まで、こんなに蜜大福を食べない時間はなかった。




モーモーミルクで作ったチーズ製品を貪りながらも、満たされない。


ピザやハンバーガーを頼んで、食べても物足りない。


「だ、だめだ、がまんっ、できない」


検索し、蜜大福の取扱店を調べる。


だが問い合わせても……在庫が、ない。通販サイトでも売り切れている。


「な、なんで……っ」


食べたいのに。あの味を、あの食感がないと、わたしは・・・


やわらかなモチモチとした生地、少し力を入れただけで、中からとろりとした濃密なミツハニーの蜜が……


「あぁ、あっ……じゅる…」


ぐきゅるるる、と腹の虫が早くアレを食わせろと訴える。


食べたい。だが、ないんだ。

いてもたってもいられず、ルギアはミツハニーの蜜を取り扱う業者のページを直接アクセスした。

業務用のハチミツを速達で注文。



届けられたのは、菓子屋やパン屋などで大量にハチミツを使う業者用の代物だ。


特大のツボに、30L分ものハチミツが入っている。それを、何個も、何個も頼んだ。


「はぁ、はぁっ、あ、あぁ……」


ごぶっ、ごぶぅ!

ドロッとしたハチミツを、直接ツボから流し込んでいく。

濃厚で、確かに美味しい。


だが……


「んふぅう、ふぅっ、違う、これ、これじゃ、ない……」


とはいえ材料の一部なのは間違いない。限りなく蜜大福に近い味に、シロガネは夢中になってツボを飲み干していく。



「ごっ、ごっ、ごく!!」


ごぶ。ごぶ。ごぶ。


「くふううう、んっふぅうううう!げえふ! ぶはっ、はぁ、はひゅーーー、ひゅぅうう…!!」


みるみる腹がパンパンになっていく。

当然だ、4つ飲み干しただけで100kg以上のハチミツが腹の中にいるのだ。


ただでさえ分厚い脂肪で肥えた腹が、内側から更にぐぐぐぅうっと押し広げられ おおきさを増す。



ぶくぅっ


「ぶひぃい、ひぃ、はあ、ぁあ、も、もっど……!!」



ガエン特性の蜜大福は、うま味成分やアルコールにも似た依存性の高い成分を大量に入れていた。


その味の快楽には程遠いが、ミツハニーの蜜によって連想された感情が 彼の底なしの食欲を刺激する。



「ふっ、ふぅうっ、ぐび、ごぶっ、んぶっ!」


口元からポタポタと蜜を溢れさせながら、乱雑にツボが投げ捨てられていく。



「ぐげぇええええええっぷ!!!!」


腹がパンパンだ。けど、足りない…もっと、もっと欲しい……


あの刺激には、満足感には、ちっとも、追いついて、ない



シロガネは野生にかえったように、ツボに顔を突っ込んでみっともなく飲み干していく。


ごきゅごきゅと喉元がポンプのように膨れ、それは風船のごとき巨大な腹をさらに膨らませる。


必要以上にミツで満たされた肉体が、ぶるっと、身震いする。



警告する。それ以上食べてはいけないと。飲んではいけないと。


でも、その息苦しさより、 長い事蜜大福の、あの蜜を味わえていなかった苦痛の方が何倍もつらかった。



だから、いまは、いい……すきなだけ、からだのなかに、そそぎたい のみつづけ、たい




「フゥウーーーーーーーーッ  クヒュゥーーーーーーーーーッ!!」



息もまともにできないほど、飲み干しきった彼の胴体は何倍にも膨れ上がっていた。


倒れ込んで、動けない。 山になったお腹に、自分自身が押しつぶされそうだ。



「うっ!!げぇええええっぷ!!!

ふぐっ、ぐぇえええええええええええっふぅう!!!!!!!??」



ビクン、ビクンっと身体を跳ね起こしながら 何度も余分な空気をおくびとして漏らし、 わずかでもお腹の中に空きスペースを作ろうとする。


そして、 あろうことか その隙間が生まれると 動けないまま長く太い翼腕を 新たなツボに伸ばすのだった……







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