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『ペンドラーと恐怖の森』

決して、その森の奥に踏み込んではならない……
===


ウルガモス「ねぇ、こんなうわさ知ってる? オバケの出る森がこのちかくにあるんだって。
しかもその森に入ったら最後、もう2度と出てこれないとか…」

デンチュラ「マジっすか! こ、こえ~~」

ぶるぶると震える虫ポケモン達。

だが、その中でもひときわ大きな虫ポケモン…メガムカデのペンドラーだけは、、姿勢を反らせて鼻息を鳴らした。


ペンドラー「なんだ、オバケなんて怖いのか? ゴーストタイプなんて、いっぱいいるじゃん」


アリアドス「ゴーストは、ゆーれーっぽいだけで、そういうポケモンじゃん。本物のオバケだよ、オバケ!」

ペンドラー「へっちゃらだよーだ」


モルフォン「む、そこまで言うなら……肝試しする?」

ペンドラー「(ドキッ) い、いいよ。別に。怖くないもん」


言ってから、しまった。とペンドラーは後悔した。


思わず強がったが、怖いのは苦手だ。

どうしよう……と内心不安の中、噂の森の前までやってきた。



シン…・・と静まり返った暗い森。

首に巻いたチョーカー式カメラで、奥まで行った証拠を取らないといけない。


ペンドラー「ぅう……やだなぁ……」


恐る恐る森の奥へと進む。


なんでも、以前は多くのポケモンが住んでいたのだが

何故かある日から忽然と姿が見えなくなったらしい。



すでに涙目になりながら、のっしのっし歩いていく。


風でガサリと葉っぱが動くだけで飛び跳ねそうな気持になる。


気のせい…気のせい……


そう思い進んでいくが。 何者かの視線を感じる。


どこから? 誰が?

「うっ、う~~~……」


周囲をぐるりと見渡しても誰もいない。 自分しかいない。

帰れるのだろうか。 もし、帰れなくなったら……

とうとうペンドラーは怖くなりすぎて 

その場にへたり込んで、動けなくなってしまった。


ぴぃぴぃと小型の鳥ポケモンのさえずりのように泣き続けた。



「ぐすん。 くすん……」


泣き終えて、ようやく気持ちが少し落ち着いた。


誰もいないなら、その方が良い。

もう十分だ、戻ろう……


振り返ろうとすると、 何やら音が聞こえた。



『ふごっ……ぐふぅう、ぐるる……』

獣の唸り声。

「だ、だれ……?!」


近づきたくない。けど、誰かがいるなら 会いたい。


姿勢を低くし、茂みに隠れながらゆっくりと音のする方へ近づく。




生い茂った木々を抜けた先、開けた地で

巨大な物体が、うごめいていた。


『ごふっ、がっふぅうう、ぐるる、がつがつ!!んぁあっぐ!!!』


「ひっ……!!!」


怪物だ。異形の怪物が、何かを貪り続けている。

アイツが、オバケなんだ……!みんな、食べられたんだ……!


逃げないと。逃げなきゃ、早く、あ、足が動かない……


(がさっ)

『ダレダ……!!』


怪物がこちらに気付いた。


ペンドラーは一目散にその場を離れた。足の速さには自信があった。


よく目を凝らせば、その怪物は異様に太って膨れたバンギラスだと気づけたかもしれない。


山盛りの木の実を、カビゴン以上のペースで喰らいつづける超肥満。


だが恐怖心に支配されたペンドラーにとって、見たこともないシルエットの巨大な彼は怪物にしか見えなかっただろう。




「はぁっ…はぁっ……はぁ」


逃げられただろうか。追ってこない……よね?


なのに。森に入った時に感じた視線は今もある。



そして




「ミミッキュ!」




小さな何かが現れた。


「ピカチュ……ウ?」

の、被り物をした 小さな……たぶん、ポケモン。



愛らしい姿。愛らしい鳴き声。か弱そうな、視線をずっと下にしないと見えない小ささ。

「……っぷはぁーーーー!」


ドッと緊張がほぐれた。

よかった、誰もいないじゃないんだ。


「きみ、ここの森に住んでるの?」


「ミミッ…・・キュ……キ……カ……」

「えと、何……?」


「ミミッ、ミ…… ミタァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」






ガバァッと、その”布”が。

外側が。被り物が。開いた。 中身を見せながら


ペンドラーは何が起きたのかわからない。  



「へ……ぇ……あ…れ?」


気付けば、真っ暗な闇の中。


自分は見える。 なのに、他に何も見えない。


光源の無い世界。


混乱する頭の中、さっきの”アレ””に飲み込まれたのだという事を理解した


途端



体が 変化を始めた



「えっ、あ、なに、なっ。やっ」


ググ、っグググ……


と体が左右に引っ張られる。 

正確には引っ張られながら、 ”引き伸ばされている”


まるで、粘土か餅のように。




なに、なに、なに、なにがおきてるの!!!!


皮膚の表面が伸びるのはわかる。 ちょっと余ったお肉がつまめるのもわかる。


けど、これは違う 。 体が……すべてが 両端へのベクトル移動をしている。


伸ばされ、伸ばされ続け、 体が おかしくなる

まるで2次元の存在にでもされたように

たいらに、 マッギョのように、 それより薄く、 もっと板のように 紙のように


「っ---……!!!」


声も出せない。 自分の身に起きてることが、理解できない。


夢だ。悪夢だ。 そう思うしかない。 そうじゃないと、ありえない。


左右に3倍にも、4倍にも引き伸ばされたペンドラーは 凧のような 鉄板のような 

いずれにせよ元のシルエットを保っていなかった。



かと思うと今度は 前後への急激なベクトル変化が始まる。


ぐぐ、っぐぅぐぐぐ……!!!!


「ぅあ、あっ、やぁっ……・!!?」


痛くはない。でも、どうしようもなく怖い。


グイグイと引き伸ばされ、面積を増やされた後、今度はお腹側と背中側だ。


「ふぷっ!!? うっぷ!!くふっ……?!」


引っ張られる感覚と同時に、押し広がる感覚。


お腹が。お腹の中に、何かが入り込み続けている。


「あっぷ!!くぷっ、ふむっぷ…・・・・!?」


空気?水?木の実? 重かったり、軽かったり


わからない。お腹がパンパンになっていく。

ぐぐっ、ぐぅうううう!!むくぅうううっ


同じペースと思うと今度はボンっと、急激に膨らむ。



あっという間にペンドラーは球体……しかも元の3倍近い大きさになった挙句、丸々と膨れてしまった。


「ふっぷぅううう!!ぐぷっ、ええっぷ!!おなか、おなかがっ!!
ハッ、ハッ……ヒュフッ?!」


ギチギチと脚が、自分の膨らむお腹に食い込んでいく。


強い足つぼマッサージみたいで、何故だか痛気持ちいい。

”何か”で満たされ続ける。

「くぷぅうううう、っふ、はふっ、ひぃ、ぁぷ、あっぷ!!!!///」


暗黒物質に溺れる。 そんな形容をしたくなるほど、未知の状態と変化は続いた。


 そのシルエットはプリンよりも、カビゴンよりも丸い。



なのに




その現象はまだ終わらなかった。


「んっ、ンムゥウウウウウウウ????!」


まだ終わりではない、とばかりに更に ”何か”が注がれる


この膨れ切った肉体をこねくりまわし、引っ張り、膨らませながら


「ぐっぷ!!うぇっぷ!!!!!!?ぐがっ、ぁっ……・??!」



どぷぷぷっと、流動的な何かが流れ込む


球体のお腹は、更に押し広がり 楕円を為していく。



ごめんなさい、ゆるして、たすけてっ

もどして、やめて、おなかが、くるしい、こわいよぉ


目をつぶったまま、ペンドラーは願い続けた。


ああ、自分はどうしてあんな強がりを言ってしまったんだろう




「おね……が……やめ、て……」











どずぅううううううううううううううううんん!!!!!



布から吐き出された、球体……否、ドーム状の物体。

ペンドラーは、これでもか、と膨らまされ 天に向けてパンパンに張りつめたお腹を抱えたまま大地に返ってきた。


その重量に、もうもうと土ぼこりが舞い、視界が塞がれる。



「ふぐっ…う……っふぐぅうっ……っう!(ビクンっ)」


ちょっとでも気を緩めたら、お腹は更に膨らんでしまいそうだった。


そして気づいた。 はち切れてもおかしくないお腹は 


確かに何かで満たされているが もう半分以上は”自分自身のもの”になっている・・・と



その森から帰ってこれない理由が分かった。


ビクともしない。歩けもしない。



「ミミッキュ」

「ひっ……!?」

布から黒い腕が伸びる。

何か持っているが、まともに首も動かせないから視界が狭い。





「……木の実?」


そのまま他にも多くの食べ物を置いていくと、ミミッキュと鳴くその得体の知れない存在は再び森の奥へと消えていった。


かろうじて寝返りを打てば、食事は出来そうだ。


「けど、どうしよう……」



目的も、理由もわからない。

けど、この何倍にも膨れ上がった体は目の前の木の実を平らげることを望んだ。


「あぐっ、あむ、はぁぐっがつがつ!!!」



がつがつ、むしゃむしゃ



遠くで木の実を貪り続ける肥えきったバンギラス。


その森に、新たに更に巨大なペンドラーが住み着くことになったのだが


それを知る事の出来る者はいなかった・・・




おわり

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