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『Pride of Scolipede 』

だらく
《プライド オブ ペンドラー》


足の速さが取り柄だった。


言い換えれば、それにしか自信がなかったのかもしれない。





ペンドラーー「遅い……それで本気なのかお前ら…?」

イーブイ「ご、ごめんねペンドラーさん。僕また足ひっぱって…」

アブソル「……あんたが早いのは認める。
だが、そういう態度は…」

ペンドラー「ふん。ポケモ世界リレー大会は来年なんだぞ! 
こんな足の遅さ、バトンタッチの手際の悪さで世界に通用すると思うな!」



せいぜい足だけは引っ張るな、そういってペンドラーは練習場を後にする。 

彼の特性は”加速”そして高速移動も可能なバトンタッチ要因。 

絶対にリレー選抜から外されないし、誰よりも早かった。

イーブイ「うっ…ぐすっ…ひぐっ」

ポロポロと涙をこぼすイーブイ。

この子も、足は速いのだが緊張する体質なのと、

何よりペンドラーとの体格差、彼の威圧的な態度で足がすくんでしまって本来の実力を出せないでいたのだ。



アブソル「気にするな。あんなやつ・・・さ、練習しよう、大丈夫だ」

「うん……」


チーム最速のペンドラーに迷惑をかけるわけにはいかない。



イーブイたちは自主練習も夜遅くまで繰り返し、徐々にタイムをあげていった。




===

ペンドラー「少し言い過ぎたかもな……いや、遅いアイツらが悪いんだ。
俺は悪くねぇ…」


居心地の悪くなったペンドラーは、次第に彼らと一緒に練習することをやめ、ひとりで過ごした。


ストレスから逃げるように、ミアレガレットやヒウンアイスを食べる日々……

ペンドラー「ふぅーーー…ふぅーーー……」

ぶくぶくと、自身の体が肥えているとも気づかず。

引き締まっていたはずの、あちこちのラインが丸みを帯びていく。



胴体がでっぷりと膨れ、シャープな口元すら頬が丸みを帯びていく。


体重がどれだけ増加しようと、彼の最速記録は抜かれることはない。

当然、選抜メンバーにも残り続け




そして大会当日

イーブイ「あ、あの、ペンドラーさん、僕、頑張って、練習して、早くなって…あの…」

アブソル「……。アンカーがお前か、しかし、大丈夫なのか?」

ペンドラー「ぶふぅう、ふぅ、何が、だ。せいぜい、途中で転ばないように、気を付けろよ」



久々に再会したが、出てきたのはリレーの選手とは思えない程に丸々と膨れ上がったペンドラー。


太った影響か半目がさらに細くなり、レース前に20個ものハンバーガー、3Lものドリンクを飲み干した胴体はでっぷりと大きい。


不安でチームがざわつくなか、レースは開始された。


銃声と共に、スタートする選手たち。



イーブイは思った以上の健闘で、トップに食らいついた。

「アブソルお願い!」

「任せろ!」

2匹の連携は見事で、ついに彼らのチームが先頭となる。


だが…

アンカーのペンドラーは、とても走者とは思えない程太っており…

バトンこそ上手に受け取った物の(背中にバトン専用の設置鞍を装備している)


「ぜぇっ、ぜぇ……!!(な、なんでだ、もう息があがる)」


4番目で、加速度も相当上がっている。なのに、足が、思うように動かない。

だぷっ、だぷっと腹肉を揺らしながらみっともなく走るデブの姿。



っどど、っどど、っどど!

土埃を上げながら、鈍重な、重戦車のような存在が みっともなくあがいている。

「ぜぇえ、はひゅうううぅ、ひぃ、っぶはぁ、んぁあ、ああ、
ぬ、抜゛か゛れる、ぅあ、あ、ああああああああああああ!!!!」

ぼろぼろと泣きながら無様な醜態をさらしたデブが、後続の選手に抜かれる。



それも1匹、2匹…… 続けざまに。


結局、彼らは4位となる。最下位だ。 

終盤、トップに躍り出ていたにもかかわらず。



「ペンドラー、さん……」


イーブイは本当に悲しそうな顔をしていた。怒りでも、呆れでもない。 


そんな、そんな目で見ないでくれ。


やめてくれ


「うぁ、あ……」



小さな体で頑張ったイーブイ。

それに比べ、体格に恵まれた自分は何をしていたのか。






過去の記憶がよみがえる。


ホイーガ遅いー。早くこいよー


待って、みんな行かないで。


突起があるせいでうまく、転がれない。


皆が楽しそうに遊びに行く間も、自分は追いつけず、ひとりぼっちで



やっと広場にたどり着いても、帰る時間で……



だから、進化して早くなって、嬉しかった。


だが嬉しさよりも、見返してやりたいという気持ちが強かった。


誰よりも早くなった。はず、なのに。




それが今や、世界中にこの情けない姿をさらけ出している。


鈍足。肥満した体。乱れた息。必要以上に流れる汗。


同情するような目線……





そして、彼の心は壊れた。


===



数年後




彼はイーブイとルームシェアをして、暮らしていた。



大量の食べ物の空箱や袋が散らばり、ベッドに仰向けで寝たきり

外出もろくにしなくなっていた。




「い、いいぶいい、おな、おなか゛ ずいだぁあ、も、もっど、ぶふっ、ぐふぅう、
ピザ、フライドポテトもぉおお」

「う…うん……」

小さなイーブイに”介護””される、かつてのエース。 

俊足の持ち主は、だらしなく膨れた腹をさらけだしながら、ヒィヒィと見苦しく喘ぎ、


あの日以来、さらに膨れ上がった食欲に溺れて、 


もう2度と自分で立つことも 走る事も無かった。



おいしいものをたべて、そうしていれば幸せなのだから。





BAD END1  『無用の誇り』










* ちっぽけなプライドを捨て、仲間と協力していれば 堕ちることはなかっただろう……


だが もう何もかもが遅いのだ
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