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『ドラゴンパパ』

某ドラゴンファミリーです(※妄想2次創作の為、実際の設定などとは異なります



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決して その、白き竜の逆鱗に触れてはいけない。





彼の怒りに触れた犯罪組織がタンカーごと沈められた……とか。


その腕を振るえば大気は裂け、


大地を踏みつければ地は割れ、


逃げようとしても、その先で不動で立ちはだかっている―――。


鬼神の如き強さ。



一部の者達の間では有名な話だった。





彼を知る者は 強さに恐れ、底知れぬ力に畏れた。





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「はっ、今日でお前の命運も尽きたようだなぁ? 
なぁ”イーゲル”よ」


いかにもな台詞を喋りながら、竜の皮膚をも貫く弾丸の銃口を向ける。




「……」


視界の悪い廃墟。周囲は敵に囲まれ、人質も取られている。


見える範囲にいるだけで、武装した連中が数名。 イーゲルは息を殺し、自分以外の生き物の気配を読む。



研ぎ澄ました感覚器は、柱の奥に隠れた相手の息遣いすら聴き取れる。



まずすべきことは、相手の戯言に付き合うことなどではなく……




フッと、 その巨体が霞みのように揺れて視界から消える。派手な音も無く。


否、消えたと錯覚するほどの高速移動。



大型の竜が縮地(しゅくち)をするなど、相手には予想も出来なかっただろう。


何が起きたか、理解する暇もなく 人質に獲物を向けていた一人が 鈍い音と同時に宙を舞う。


「うげぅっ……!」


突き上げた膝(ひざ)が相手のあごを砕き、仰け反った体を 回転させた勢いのまま叩きつけた尻尾で吹き飛ばす。


刹那の間に、人質から危険を遠ざける。 だが、まだ”安全”には程遠い。


慌ててこちらへ向かってくる部下を、重心移動による発勁(はっけい)で処理。


天井裏に潜んでいた相手からの強襲を、 顔も向けずに薙いだ太い腕が 屈強な男を子猫をあしらうかのように瓦礫の山に突っ込ませる。




「ぐっ、くそ……!野郎ども、やっちまえ!!」



回転式多銃身機関銃が派手な音を鳴らしながら、白竜を襲う。

ズガガガッガ!!


噴煙。毎分3000発の弾丸の嵐が、射線上のあらゆるものを呑み込むように 放たれた。



いかなる相手であろうが、耐えるどころか 原形すらとどめまい



「やったな……くくく、救った人質ごと撃たれてりゃ世話ねぇぜ」


対戦車用の遺物。そんなものを持ち出してまで消しておくほど、その竜の存在は厄介だった。



だが 晴れた視界の先   


翼で前面を覆った 白い竜が



「ばっ、馬鹿な!!無事なわけがない!
まして、5体満足で立っていられるわけ……!!」


「大層な玩具を持っていたようだが……相手が悪かったな」



バサァッと、”わずかに汚れた”羽を展開すると 彼の碧の目は赤い閃きを放ち―――












===












「なぁんてこともあったなぁ~~~」


「おじさんすごーい!」



ぬいぐるみのように、トリアを抱きかかえたまま イーゲルはしみじみと目を瞑って思いに耽るように天井を仰いだ。


よしよしと、頭を撫でて可愛がる。




「うわー嘘くせー……」

「絶対嘘だ。っていうか話盛ってるでしょ父さん」


息子と娘に懐疑の目を向けられる父親。


さきほどの話の、登場人物であり主役だったイーゲルその竜である。




「どーせその時の人質が母さんだったー、とかそういうネタなんでしょ」


「ネタとかいうなネタとか!」







話の真偽はともかく、現在の彼は 性格も それ以外に体型まですっかり丸くなってしまっていた。



だらしないお腹は、誰が見ても納得の中年太り。


一応、腕や脚は筋肉質に見て取れるが、だらけてる時は余分な贅肉がぶにゅって余っているのも知っている。



「その体型で目に見えない程の速さで移動? ふぅ~~~ん、へぇ~~~」


「ていうか久々に会って思ったけど、父さん。 ”また”太ったでしょ」



でっぷりとした太鼓腹のボリュームが、明らかに増えている。 


トリアを抱っこしててわかりにくかったが ソファに座っている時に、ちょっとだけ下っ腹が太ももに乗っている。


これは、完全にデブ竜だ……



その後もバカにし続けていると、流石にプライドが傷ついたのか


ゆっくりと どっしりとした動作で立ち上がる。


「なら、久々に少し遊んでみるとするか……?」

たぷんっと、揺れるお肉とは裏腹に 


その瞳は力強く 何か得体の知れない雰囲気を漂わせていた。


一瞬びくりと背筋が凍る感覚を覚えるナベルとオルファだが、 すぐに気のせいだと振り払う。



小さい頃にじゃれ合ってたときも、動きは鈍重だったし 



「ほら、来なさい。”二人同時で”構わないから」


くいくいと手首を曲げ、挑発する。


その立ち振る舞いには、別に隙が無いわけじゃないし、とても武術の達人や歴戦の勇士のように見えない。


「っ……
いい年して、ムキになって、怪我したってしらねぇぞ?」


「可愛い我が子に怪我をさせるつもりはないから、安心しておけ」


余裕の表情を崩さないイーゲル。 





そうして親子の、 本気の実戦式組み手が 始まる……







続く


















(続かない!)








その夜、完封された腹いせにナベルは無茶苦茶ヤケ食いした



おじさんかっこいい!と言われ調子に乗ったイーゲルは 

その後長い事居座り トリアに自慢話をしながら酒に酔い、つまみをたらふく食い


見事に激太りしてしまうのだが それはまた別のお話
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